チック

チックとは無目的な動きで、突発的に繰り返されるパターン化した運動や発声です。
例えば、まばたきをする・首や頭を振る・咳ばらいをする・うなずく・顔をしかめる・鼻をフンフンならす・肩や手足をぴくっと動かす・思わず声を出すなど、いろいろなチックがあります。
本人はわざとやっているのではありません。基本的には抵抗できない不随意なもので,意識すれば止められますが,かなり苦労を伴います。幼児~小学校低学年までの子に多くみられ、不安や緊張などがきっかけでおこるようです。大人になるにしたがって約80~90%の人の症状は軽快・消失します。
ほとんどがチックの持続が1年未満の一過性チック障害と言われるものです。
緊張が増えていくときや強い緊張が解けた時に症状が増え、精神的に安定している時や一定の緊張感が持続しているときには症状が減る傾向があります。
学校ではチックが目立たないのに家ではチックが多いということがありますが、それは家に問題があるからではなくて、学校での緊張がとれてリラックスできるからということが多いです。
多くの場合、周りに比べて本人は強く意識していないことが多いので、無理に意識させるとかえって症状や不安感を悪化させることになります。チックのきっかけらしいことが思い当れば、それを変えてみます。
注意したり、しかったりすることは何の意味もありません。過度に注意や注目を続けると本人はますます緊張して治りにくくなります。ご家族は、焦らずにあたかも症状にきづいていないかのように対応してください。大人になって症状が残っている人も,その多くは「くせ」の範囲内です.症状が長引くときや、症状が強くなったとき、学校生活に影響がでたときには,検査や投薬を行うこともあるので,受診して主治医に相談しましょう。
[PR]

# by shima-8 | 2015-12-01 09:00 | 医療

ヒトメタニューモウイルス感染症

2001年に発見された割と新しいウイルスなので聞きなれないかもしれませんが、以前から世界中に存在し、流行してきたウイルスだといわれています。ご存知の方も多い“RSウイルス”による感染症状と似ています。
生後6か月くらいから感染が始まり、10歳までに一度は全員が感染するといわれていて、大人もかかります。残念ながら一度感染しても再感染を防ぐのに十分な免疫が得られないので、何度もかかる可能性があります。
●症状
いわゆる風邪症状に似ていて、咳・鼻水・発熱が主ですが、悪化すると喘息様気管支炎、細気管支炎、肺炎になってしまうことがあります。とくに乳幼児や高齢者は重症化することがあるので注意が必要です。
●治療
基本は対症療法を行います。症状がつらい場合には咳や鼻水のお薬や熱を下げるためのお薬が処方されることがあります。重症化すると入院して輸液や酸素投与などが必要になる場合もあります。同時に細菌にも感染してしまうことがあるので、その場合は抗生剤が必要となります。
●検査
症状が軽い場合は対症療法が主で、ヒトメタニューモウイルスに効くお薬は無いため、当院ではヒトメタニューモウイルス特定のための検査は行っていません。重症化して入院が必要になると入院先の病院で検査を行うことがあります。方法は綿棒で鼻の奥をこすって行います。
●予防
ヒトメタニューモウイルスは飛沫感染と接触感染によってうつるので、手洗い・うがいをしっかり行いましょう。また、マスクを着用する・タオルや食器を共用しないことも感染を広げないために重要です。
このウイルスは一年中みられますが、特に冬から初夏に多いといわれています。これからインフルエンザ・RSウイルスの流行時期ですが、その後にはヒトメタニューモウイルスの感染が多くなる可能性があります。
風邪症状が長引くときは、もしかしたらヒトメタニューモウイルスによるものかもしれません。お子さんが感染すると,治った後も気道感染症や喘息症状をおこしやすくなりますので予防をしっかりしましょう。
[PR]

# by shima-8 | 2015-11-01 09:00

インフルエンザワクチン

そろそろインフルエンザワクチンの季節です。今シーズンからインフルエンザワクチンには、4種類の季節型インフルエンザウイルスが含まれます。
A型株 A/カリフォルニア/7/2009(X-179A)(H1N1)pdm09
    A/スイス/9715293/2013(NIB-88)(H3N2)
B型株 B/プーケット/3073/2013(山形系統)
    B/テキサス/2/2013/(ビクトリア系統)
 インフルエンザワクチンは感染を完全に抑える効果はありませんが、発症や重症化の予防に関しては一定の効果が認められています。乳幼児のインフルエンザワクチンの有効性に関しては、概ね20~50%の発病防止効果があったと報告されています。
 インフルエンザワクチンは、接種後2週目から抗体が上昇し始め、1カ月でピークに達し、その効果は5カ月間持続します。2回目の接種を4週後にした場合が最も抗体の上りがいいです。流行期が通常12月から翌年3月頃なので、12月には2回目の接種が終わるようにしましょう。
生後6カ月から受けられますが、生後6~12カ月の乳児は一度もインフルエンザウイルスの侵入を受けていないので、効果は限定的といわれています。ご両親や周囲の大人、兄弟が積極的にワクチンを受けて、赤ちゃんにインフルエンザをうつさないようにしましょう。
 接種量は6カ月~2歳は0.25ml、3歳以上は0.5ml、6カ月~12歳は2回接種で13歳以上は1回です。受験生などは希望されれば2回接種も可能です。
副反応は接種部位の発赤・腫脹・疼痛など、全身反応として発熱・頭痛・悪寒・倦怠感などがありますが、通常は2~3日で軽快します。
ワクチンを製造するときに孵化鶏卵を用いるため、わずかながら卵由来成分が残存します。最近は高純度に精製されているのでほとんど問題になりませんが、重篤な卵アレルギーのある人はアレルギー専門医にご紹介しています。
乳幼児をインフルエンザウイルス感染から守るためには、ワクチン接種に加え、ご家族や周囲の大人たちが手洗いや咳エチケットを徹底したり、流行時期に人が多く集まる場所に行かないようにしたりして、乳幼児がインフルエンザウイルスへ曝露されることを出来るだけ抑制することも大切です。

☆インフルエンザワクチンのウイルスが3価から4価に増えたために原価が上がり、ワクチンの値段も上がっています。ご了承ください。
[PR]

# by shima-8 | 2015-10-01 09:00 | 予防接種

マイコプラズマ

今回はマイコプラズマです。
肺炎マイコプラズマという病原体が感染しておこります。一年中あり、潜伏期間は2~3週間です。感染力はそれほど強くなく、飛沫や濃厚接触で感染します。幼児、小中学生に多いです。免疫は長続きしないので、何回も罹ることがあります。
マイコプラズマは気道に感染し、主に気管から肺で増殖します。主な症状は、のどの痛み、鼻水・鼻づまり、37度から39度以上の発熱、咳です。咳は3~5日たってから始まることが多く、最初は乾いた咳ですが徐々に強くなり、解熱後も長く続き(3~4週間)、痰がらみの咳になることが多いです。気管支喘息があると喘息発作を起こします。他に、脳炎や脳症、下痢や嘔吐などの消化器症状、肝機能異常、蕁麻疹、多型滲出性紅斑などがあります。
診断は、LAMP法という咽頭ぬぐい液でマイコプラズマに特徴的なDNAを検出する遺伝子検査が最も正確といわれています。結果が出るまでに少し時間がかかります。プライムチェックという咽頭ぬぐい液でマイコプラズマ抗原を調べる検査があります。精度はLAMP法より劣りますが検査結果はすぐわかります。イムノカードは血清中の特異IgM抗体を検出します。いずれも検査結果が陰性でもマイコプラズマ感染症を完全に否定できません。確定診断は、急性期と2週間以上経過した回復期の2回採血して抗体が4倍以上上昇していればできます。しかし、急性期に採血することはほとんどなく、治った後に受診される方もほとんどいないので、実際にはされていません。
治療はマクロライド系抗生物質(エリスロシン、クラリス、ジスロマックなど)です。これが効かないマイコプラズマ肺炎が増えています。その場合にはテトラサイクリン系抗生物質(ミノマイシンなど)かニューキノロン系抗生物質(オゼックス)を使います。テトラサイクリン系抗生物質は、8歳以下の子供に2週間以上使用すると、歯や骨に影響がでるといわれています。
 登園・登校は急性期が過ぎて症状が改善し、全身状態が良ければ可能です。
 特別な予防方法はなく、手洗い・うがいなどの一般的な予防方法と患者との濃厚な接触を避けることです。
[PR]

# by shima-8 | 2015-09-01 09:00 | 感染症

手足口病

 手足口病が大流行です。今回は手足口病についてお話しましょう。
手足口病は夏かぜの一種です。症状は、発熱が約1/3に見られますが、軽度で1~2日間です。手のひらや足の裏、口の中に小さな水ぶくれができます。最近は発疹が手の甲、足の背面、腕、太もも、下腿、お尻、体などにできるようになりました。大きさも大小不同でかなり大きな発疹も見られます。痛みはありません。1週間位で自然に消えていきます。口の中が痛くて食べられなくなることがあります。合併症としては、急性髄膜炎、稀に急性脳炎があります。
代表的な原因ウイルスはコクサッキーA16あるいはエンテロ71ですが、これ以外にも原因となるウイルスが何種類もあるので、以前にかかったことがある子でもまたかかることがあります。
生後6カ月位からの乳幼児に多いですが、成人でもかかることがあります。潜伏期間は3~5日間といわれています。
感染経路は主として咽頭から排泄されるウイルスによる飛沫感染ですが、便中に排泄されたウイルスによる経口感染、水疱内容物からの感染などがありうると言われています。ウイルスは喉と腸の中で繁殖し、血液の中に入り込んで増殖し症状がでます。ウイルスは侵入してから喉から1~2週間、便から3~5週間排出されます。
有効な薬はありません。熱や口の中の痛みがある時は薬を処方します。家庭では、口の中が痛いことが多いので、しみないものをあげましょう。脱水にならないように水分を少量頻回に与えましょう。外出は避け、入浴は熱がなければ構いませんが、発疹がひどいときはシャワーにしましょう。
予防は、手をよく洗いましょう。特に便の始末をしたときはよく手を洗いましょう。
登園・登校は、熱がないこと、食事がある程度普通に食べられること、手足の発疹がある程度目立たなくなれば可能です。
口の中が痛くて水分を摂れないとき、高熱が続くとき、吐いてぐったりしているときは医療機関を受診しましょう。
[PR]

# by shima-8 | 2015-08-01 09:12