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東京都八王子市台町にある小児科のこどもクリニックえみんぐのブログです。小児の病気に関することや予防接種などの情報、身近な話題をお送りします。


by shima-8

手足口病

 手足口病が大流行です。今回は手足口病についてお話しましょう。
手足口病は夏かぜの一種です。症状は、発熱が約1/3に見られますが、軽度で1~2日間です。手のひらや足の裏、口の中に小さな水ぶくれができます。最近は発疹が手の甲、足の背面、腕、太もも、下腿、お尻、体などにできるようになりました。大きさも大小不同でかなり大きな発疹も見られます。痛みはありません。1週間位で自然に消えていきます。口の中が痛くて食べられなくなることがあります。合併症としては、急性髄膜炎、稀に急性脳炎があります。
代表的な原因ウイルスはコクサッキーA16あるいはエンテロ71ですが、これ以外にも原因となるウイルスが何種類もあるので、以前にかかったことがある子でもまたかかることがあります。
生後6カ月位からの乳幼児に多いですが、成人でもかかることがあります。潜伏期間は3~5日間といわれています。
感染経路は主として咽頭から排泄されるウイルスによる飛沫感染ですが、便中に排泄されたウイルスによる経口感染、水疱内容物からの感染などがありうると言われています。ウイルスは喉と腸の中で繁殖し、血液の中に入り込んで増殖し症状がでます。ウイルスは侵入してから喉から1~2週間、便から3~5週間排出されます。
有効な薬はありません。熱や口の中の痛みがある時は薬を処方します。家庭では、口の中が痛いことが多いので、しみないものをあげましょう。脱水にならないように水分を少量頻回に与えましょう。外出は避け、入浴は熱がなければ構いませんが、発疹がひどいときはシャワーにしましょう。
予防は、手をよく洗いましょう。特に便の始末をしたときはよく手を洗いましょう。
登園・登校は、熱がないこと、食事がある程度普通に食べられること、手足の発疹がある程度目立たなくなれば可能です。
口の中が痛くて水分を摂れないとき、高熱が続くとき、吐いてぐったりしているときは医療機関を受診しましょう。
by shima-8 | 2015-08-01 09:12